京町家とお茶の諏訪幸子のブログ

むかし、結婚したのですが、そのとき、はじめて
ひっこしました。
宇治・・・だったのですが、
そこは、私のそだったところとはほど遠く、
まだ学生だった私は、
「道がない・・・」とびっくりしました。

南禅寺あたりで育ったのですが、
隅々まで、道は坊と条だったのです。
すなわちほぼ９０度で曲がります。
そして、基本まっすぐ。

歩きたければ、いくらでも迷わずに歩ける道しか知らず
宇治の地道は、曲がるし、うねるし。

丸善がない。
映画館がない。
美術館がない。

結婚して、２０年たって、

大文字さんが見えるとこに帰りたい。
と、言う私に
「まだ言うのか・・・」とあきれて、しばらくして
つれあいが光泉洞の建物を手にいれてくれました。

光泉洞で、友人とお昼ご飯やさんをして２０年。
宇治から通いましたが、帰った気をしてませんでした。

この６月に光泉洞　の昼ご飯やさんを閉じて、
四条の事務所に物をずいぶん運びました。
たとえば、鶴斎の掛物など・・・・全部。
１３０年前の光泉洞　にあった古い箪笥なども。

そして、そこで過ごすうちに
ああ、帰ってきた。。。と思えるようになりました。
なんでなのか・・・ちょっとわかりません。

丸善がバルの中に
結構、丸善らしい陣立てで、リニューアルしたことも
すこ～し関係あるかもしれません。

私がなにでできているのか、
この年になって、少しわかってきたような気がしてます。

ただいま。