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2013年08月31日

「精霊流し」読書感想文

長崎観光サイトから
夏休みも最後なので、読書感想を。。

今年の夏は、家族旅行で、長崎へ行った。
目的は、海と休養だったので、ちょっと遠いが
京都から新幹線を乗り継いで行った。

新幹線の駅で、いつもの習慣で、本屋にたちより
買った本がさだまさしという歌手が書いた
「精霊流し」という題の文庫本。

お盆に亡くなった母の3回忌をひかえていたこともあって、
しんきくさい題だとは思ったが、
長崎の坂の事をうたっていた作者の
声をおもいだしてもとめた。

ぶあつい本で、文章は少し読みにくいものの
長崎旅行が終わって2日後には読み上げていた。

九州はこの世代の日本語で自分の作った歌を
うたう歌手を多く生んでいる。
京都と九州で、フォークソングの和製版が生まれたから
だと、京都で、その和製フォークが生まれた場を過ごした私は思っている。

さて、中学校で東京へ音楽のために出た
作者の

ストーリーは、私小説らしく
東京と九州の間をいったりきたりしてすすむ。

まだ、人が貧しく飢えていた時代を
超えて、その前の戦争の事を
軸足のようにして話はすすんでゆく。

両親の事、祖父母の事、東京のいとこの事、
すべて鬼籍に入ってゆくのを
追うように話はすすみ、
人が死ぬと新盆に精霊船を出す長崎の風土が
繰り返し描かれる。

圧巻は、最後の方の長崎の原爆投下を生き抜いた
人たちが、投下の後に出した精霊流しの風景。

私は、今年の夏の7月の終わりに、長崎の駅に
降りたち、町を歩き、
すぐそばの波止場から何度か
船に乗りしたものだから、
「あの場所が・・・」と息がとまるほどの感慨があった。
見渡せるほどの湾にそって
山がせまり、坂がある長崎。
印象として神戸よりはるかに小さい。

原爆の実験に選ばれた町。
それを生き抜いた人たちが
育てた子どもが主人公。
その子供時代は、なんなく作者のさだまさしと重なるのだが、
バラの花やバイオリンが、生きるための
エネルギーのシンボルとして
作中に描かれている。
それが、ノンフィクションに
近いこの私小説のそれこそ胆となっている。

ああ、長崎へ行って、この小説に会って、
今年の私の夏はきれいに終わってゆくと
今日、宇治の窓際で思っている。



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Posted by 諏訪 幸子  at 09:50 │Comments(0)

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